こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの崇司です。
今回は日本に住んでいたら必ず加入を検討して頂きたい地震保険についてお話ししたいと思います。
最近、関東でも小さいですが地震が多くなってきていますよね。専門家の間ではもうすぐ関東大震災が来るのではないと色々言われているので、本当に地震が来たらと不安になってしまいますよね。
そんな不安を少しでも軽減するという意味で地震保険に加入して欲しいと保険のプロからすると思います。ローンを組んで建てた一軒家、新築で買ったマンション、インテリアにこだわった家財、そんな生活の基本となる家や家財が大震災に見舞われれば全てがなくなってしまいます。
ローンがまだ残っているのにもう一度家を買うなんてできないとなってしまう方も多いと思います。そんな時に助けてくれるのが地震保険です。火災保険に入っていれば地震に対しても補償してくれるんでしょ?と考えている方も多いと思いますが火災保険では地震に対する損害は補償してくれません。
火災保険に地震保険を付帯させることで火災と地震両方の補償を受ける事ができます。この記事を通して地震保険について正しい知識を持って頂き、地震への備えの一つととして地震保険に加入して欲しいと思います。今回は地震保険と密接な関係がある火災保険についても一緒にお伝えしていこうと思います。
目次
そもそも火災保険ってどんな保険
皆さんが火災保険と聞くと家が燃えた時に補償してくれる保険でしょ?と考えられると思いますが、火災だけではありません。そこで火災保険とはどういう保険なのかというところを詳しくご説明していきたいと思います。
火災保険は建物と家財の2本立て構造
基本的に火災保険は建物と家財の2本立ての構造となっています。火災保険は家やマンションの建物と建物の中にある家具や什器などの動産を補償する保険です。
火災保険のご契約をされているお客様の中には建物だけ火災保険に加入されていて、家財の火災保険には加入されていない場合もあります。
もし、家が火事にあってしまった場合は建物だけ火災保険に加入していると家具や家電などの家財は補償されません。建物の保険だけ加入していれば家財もすべて補償されると思われている方もいらっしゃるのですが、建物だけでは家財は補償されないと覚えておいてください。
建物と家財ってなに?
建物のみで火災保険に加入されている場合、補償範囲に入るものは建物に固定されている物になります。柱、屋根、壁、床(畳など)はもちろんですが、立て付けてある棚は家財ではなく建物の保険で補償されます。
家財に関しては動産になるので、家に固定されていない物家具やソファー、家電製品などは動産に含まれるので家財に分類されます。
よく保険の営業マンが建物と家財の違いをお客様に説明するときに使う例えは「家をひっくり返した時に落ちないの物が建物として補償される範囲で、落ちてしまう物が家財として補償される範囲です」と説明します。分かりやすい例えなので、覚えておいて頂いて良いと思います。
火災保険の補償内容
先ほど火災保険は建物の火災だけ補償する保険ではないとお話ししましたが、建物や家財に対する災害や偶発的な事故による補償にもしっかりと対応することができます。ここから一つ一つの補償範囲についてご説明していきたいと思います。
①火災補償
火災保険の基礎補償内容になります。
火 災 | 火災で家や家財が燃えてしまった事故 |
落 雷 | 落雷により家や家財が破損、または落雷により火災が発生した事故 |
破 裂 | 水道菅やガス管が破裂したことにより家や家財が破損した事故 |
爆 発 | ガス管から漏れたガス等で爆発し家や家財が破損した事故 |
②風災補償
風災とは台風や強風で家や家財に損害が出てしまった時に補償されます。
風 災 | 台風等で屋根が吹き飛ばされてしまったり、窓ガラスが割れて家財が壊れてしまった場合の事故 |
雹 災 | 雹が降って屋根や窓ガラスが割れてしまった場合の事故 |
雪 災 | 雪により屋根が破損したり、積もった雪で家が倒壊してしまった場合の事故 |
③水災補償
大雨や台風で家が浸水(床上浸水、地面より45cm以上超える浸水)してしまった場合の事故を補償します。ここで注意して頂きたいのが、地震で津波が起きて浸水してしまった場合は火災保険では補償されません。この場合は地震保険の補償範囲となります。
近年、ゲリラ豪雨などや台風などで観測記録を超える雨が降ることが、多くなってきています。家が土地の低いところに立っていたり、下水の設備が整っていない地域にお住いの場合は内水氾濫(下水管から水が溢れ出る)で水が床下まで浸水してしまう地域にお住いの場合は加入しておいた方がよい補償です。
④盗難・水漏れ等
泥棒に入られてしまい、家財を盗まれてしまった場合や水漏れが起きて壁紙や家財が破損してしまった場合に補償されます。
また、家や塀に車が家に突っ込んだり衝突して逃げられた場合も火災保険で補償されます。
⑤破損
部屋の模様替えをしていて窓ガラスや壁を壊してしまった場合(意図的に行った場合は補償されません)やテレビを落としてしまった場合に補償されます。
しかし、携帯する物(携帯電話、ノートパソコン、メガネ等)は補償されません。
よく漫画で野球していた子供が隣の家の窓ガラスを割って逃げられてしまうというシーンがありますが、それも補償されます。
火災保険の特約
火災保険にも自動車保険などと同様に特約があります。今回はその火災保険の特約の中で代表的な特約をご紹介します。
①個人賠償責任保険
隣の家の設備を壊してしまった、マンションやアパートで水漏れを起こして下の住人の家財を壊してしまった時など相手に対して賠償をする場合の特約です。例えば家の外壁が屋根の一部が落ちてしまい、お隣の車を破損させてしまった場合なども補償されます。特にアパートやマンションを借りている人は加入をお勧めします。
②借家人賠償責任特約
こちらもアパートやマンションを借りている方は必ず加入したほうが良い特約です。
自分の不注意で火災を起こしてしまった場合に大家さんから賠償を求められた時に補償してくれる特約です。
③類焼損害補償特約
自分の家から火災が発生し近所の家を燃やしてしまった場合に相手に火災保険加入時に定めた補償額の範囲内で賠償金を支払うことができる特約です。
通常、自分で起こした火災で隣の家を燃やしてしまっても、法律上は責任義務はありません。しかし今後ご近所と付き合っていく場合にトラブルを最小限にするために加入しておいた方が良い特約です。
火災保険のまとめ
以上が火災保険の基本的な補償内容です。火災保険は火災だけを補償する保険ではないとお分かり頂けたと思います。生活をしていく上で多くのリスクが存在しますので、ご自身の起こり得るかもしれない事故にあわせて補償も検討する必要があります。
今回ご紹介した補償以外にも保険会社各社で多くの特約が存在しますので、保険会社や代理店に確認して頂ければと思います。
地震保険とは
火災保険について理解して頂けたと思いますので、次に地震保険についてお話していきたいと思います。
最近、地震保険に加入しましょうとメディア等で言われていますが、地震保険についてあまり詳しくない方が多いと思います。また地震保険と火災保険の補償内容を混同されてしまう場合があるのでくわしく説明していきたいと思います。
地震保険とは国が管理、運営をしている公的保険になります。自動車保険で言う自賠責保険と同じです。地震保険単体での加入は出来ず、火災保険とセットで加入する必要があります。その為、火災保険と混同されてしまうのだと思います。
そこで地震保険の補償範囲を再度確認していきます。
地震で家が倒壊したり家財が壊れてしまった場合 | 地震保険で対応 |
地震によって火災が発生してしまった場合 | 地震保険で対応 |
津波によって水没、倒壊してしまった場合 | 地震保険で対応 |
地震によって引き金となった火災や水災はすべて地震保険で対応となります。
地震で家が倒壊しなくても、地震によって隣の家が燃えて飛び火した火災の場合は火災保険では対応してもらえません。ですので、地震保険の加入を呼びかけているのです。
また、地震保険は火災保険でかけている補償金額の半分(最高上限)しか補償されません。
ですので、火災保険で2,000万円の補償を付けていたとしても、地震による災害の場合は
1,000万円しか補償してもらえません。これは家財も同様です。
地震保険では補償できる金額に上限が定められており、建物の場合は最高5,000万円、家財の場合は1,000万円までです。ですので、地震保険は火災保険の補償金額の1/2となりますので、建物の補償金額が1億円、家財の補償金額が2,000万円が地震保険の補償限度額になります。これの補償金額を超えると一律建物5,000万円、家財1,000万円までとなります。
地震保険の豆知識
意外と知られていない地震保険の豆知識をまとめてお伝えしたいと思います。
①どこの保険会社から加入しても保険料は同じ
地震保険は民間の保険会社から加入しますが、運営は国が行っています。ですので、どこの保険会社から加入しても保険料は同じです。
②地震保険は家財だけでも加入できる。
地震保険は建物だけではなく、家財にも加入することができます。補償金額は建物と同様に火災保険の半額の補償金額になります。建物の補償金額を上げるために家財の保険金額を上げて建物と家財の補償金額を上げるというのも手です。
また火災保険で家財のみに入っている場合でも家財に地震保険を付帯することも可能です。
③賃貸物件でも加入できる。
家財だけでも地震保険依加入できるということは賃貸でも火災保険の家財に加入すれば地震保険に加入することが出来ます。
④保険料控除を受けられる。
通常、損害保険分野では生命保険の様に保険料の控除を受けることはできません。しかし、国は国民に地震保険の加入を促すために地震保険に加入している人を対象に保険料を控除できるようにしています。以下に年間の控除額を表にしました。
所得税 | 住民税 | ||
年間控除額 対象保険料 |
控除額 | 年間控除額 対象保険料 |
控除額 |
50,000円以下 | 支払保険料全額 | 50,000円以下 | 支払保険料×1/2 |
50,000円越え | 50,000円 | 50,000円越え | 25,000円 |
⑤地震保険の補償金額を全額補償することが出来る
先ほど、地震保険は火災保険の補償金額の50%しか補償されないとお話しましたが、民間の保険会社では残りの50%を保険会社が運営する準備金の中で補償し、100%の補償にすることができます。しかし、民間の保険会社の貯蓄準備金から補償する為、保険料は割高になります
おわりに
今回は火災保険と地震保険についてお話しさせて頂きました。
地震保険で覚えておいて頂きたい事は
①地震保険だけでは加入できず、火災保険と一緒に加入しなければならない。
②補償金額は火災保険の保険金額の50%
③国と保険会社で運営している保険
④家財だけでも加入できる
⑤保険料控除が受けられる
この5項目だけ押せて頂ければ地震保険はばっちりです!この機会にこれから火災保険や地震保険の加入を検討されてい方、今の保険を見直したい方、この記事を参考にして頂き、再度、火災保険や地震保険を見直しされてみてはいかがでしょうか。
私も火災保険や地震保険を取り扱っておりますので、ご興味を持って頂けた方は以下のリンクよりお問合せ頂ければ幸いです。
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